サイレント漫画、描くのも読むのも好きです。
会話や音といった『聴く』ことに縁遠いので、必然的に視覚に頼りがちなのかなぁと思います。絵や文字は音がないので取り込みやすかったりします。それでも海を描けば波の音がするし、弾き語りの話を読めば旋律と歌声が聴こえます。不思議~。
思えばかなり前から無音の作品を描いていて、そこになんとなく『三つ子の魂百まで』を感じます。静けさも騒めきも、自分次第でなんとでもなる感じが癖になる。だからサイレント漫画が好きです。
しかしながら、読むのではなく描く側に回るとこれまた難しい。台詞や擬音といった演出が使えないので、己の画力や表現力との勝負になる気がします。うおぉ力が欲しい。描写しきれるだけの力が欲しい。と、毎回どこかの底辺主人公のような気持ちにならざるを得ない昨今です。
あと文字好きという性質と相性が悪いので、葛藤。
言葉もまた良いものです。文章からしか摂取できない独特さってあるよな~と思います。これもまた、音がしないのに音がして、見えないのに見えて、香りや肌触りがあるのが面白い。上手い人の文章はとことん上手いのでもっと読みたくなります。
この界隈、文字だけでいかに現実味をもたせられるかの勝負だと思うのですが、書き手の中には描写が緻密すぎて怖くなるような方もいらっしゃいます。力って偉大。まぁ自分の中でかなり増幅して受け取ってるとは思いますがそれでも偉大。
ここら辺の上手い落としどころを考えつつ、描いていきたいと思います。
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